辞書を引くと、「事業」とは、仕事、企業の意味があり、ビジネス(企てた業)を大きくしていくことと定義し、「起業」は、新しく、何もないところから事業を起すことと定義づけられます。
起業をし、事業化した以上は、利益の出る会社にすることが求められます。一時的に赤字であり、あるいは利益が少々少なくとも、将来は安定的に利益が出る会社にする責任と義務が経営者にはあります。それが経営者の経営責任です。
トヨタ自動車ではありませんが、事業は人づくりでもあります。経営者だけではなく、この事業が、この仕事が好きで生きていくのだ、という人の集まりを創っていきましょう。自分の仕事、自分の生き方に自信を持つ人の集団は強いものです。
無理をして大きくなることもないでしょう。小さくともキラリと光るものがあるといいでしょう。地域(ローカル・コミュニティ)を大事にする時代と、多くの方が同じことを言い始めています。地域の人々の幸せな生活を創造していける事業にしていっていただきたいものです。
起業後、存続の条件
起業後に存続できるかどうか、再生できるかどうかの条件として、次の4項目があります。@その分野での強みがあるか、A社員はよく働くか、Bその会社は永続しそうか(潰れる心配がなさそうか)、Cその会社の事業に社会的存在価値があるかです。この4項目を満足できると、存続・再生できる可能性があるといわれます。
あと加えるとするなら、「質素にして物を大切にする企業」でしょうか。
【中小企業家しんぶん2005.12.5より】
イタリアのトスカーニ氏が日本の若者を表して次のような発言をされたそうです。「政治や社会について語らない、現実感と目的を失って想像の世界に遊ぶ天使。生きる目的を失っている、そういう意味で日本だけではなく人類的課題だ。」
大東文化大学の太田政男教授は、「社会を拒否する若者、時には仲間・家庭をも拒否する若者。他者、他人と関係が結べず、自分の外にある社会を拒否しているように見える。」「ほかの国と比べても、日本の若者は自信、誇り、自尊感情などの欠如、低さが際立つ。」と言います。心理学の面からは、励ましあうのではなく蹴落としあい、他人と比べられる競争ばかりの中では、人間はバラバラになってしまうそうです。「自己責任」も随分強調されましたが、子供までが「勝ち組み、負け組み」を口にする環境下では、人間が共に生きることは難しいそうです。
この記事を読み、一人ひとりが家庭や仕事の場で、家庭を良くして行こう、職場を良くして行こう、その結果社会が良くなるのだ!という気概を持つ必要があると改めて感じました。
創造経営の示す「家庭と経営」
(1)3代正しき家の継承(名跡、祭祀、家業、家産)あれば、家庭も企業も永続的に繁栄する。
(2)親の欠点だけを見ていると、同じ欠点で周囲を苦しめ、経営にも大きなマイナスを生じてくる。
(3)親祖先の遺志(残された思い、未解決な宿題)を継承、実現に努力していると、家庭も経営も共に良くなっていく。
(4)相手(上司、部下、配偶者など)を許せぬときは、親を批判してきたことを詫びれば(相手の立場に身をおいてみれば)、環境は一変する。
(5)人の言うことを聞かない、特に家庭では親や配偶者、職場にあっては上司や部下の言うことに耳を傾けないと、自分の意見は通らず、周囲は協力してくれないもの。
(6)暗い冷たい夫婦仲は、健康も経済も家庭も皆だめにする。
(7)家庭の状況は、企業の業績を左右する。*夫は妻を、妻は夫を信頼せず、また子は親を、親は子を信頼しない家(心の欠損家庭という)では、一時的に栄えることがあっても長続きはしない。