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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

「ニート」層

◆新聞に就学・就職意欲のない無業者を意味する15歳から34歳の「ニート」層は一昨年で52万人に上り、正規の就業をしないでアルバイトを繰り返す「フリーター」は1980年代の後半に登場し、これも現在417万人に上るという記事があった。若者が将来への夢を描けない社会はとても正常とは思えない。生き方やモラルのゆがみとなって表れるだけでなく、税収や社会保障制度にも影響が出始めている。経営者は、働くものに夢を与えるよう努めて欲しいし、働くものも経営者の苦手な所は積極的に補完していかなくてはいけないと強く思う。

*以下は、日本経済新聞・北海道新聞・中小企業家新聞・日経ビジネス・知研フォーラム等に掲載された中から、中小企業経営に応用できそうな部分をピックアップしてお知らせするものです。

★ 米テキサス・インスツルメンツ会長 トーマス・エンジバス氏 ★
 優れた戦略家とは、現時点で投資すべき領域をきちんと選択することができる人のことです。どのビジネスが今後、どのように成長するのかという将来像をしっかりと見極める能力が経営者には求められるんです。わが社が最も変わったのは、経営スピードへの対応と、顧客の実態をより把握するようになったことでしょう。顧客が5年先のことをどう考えているのか、今の時点で知らなければなりません。顧客が我々にそれを示す前に知っておく必要があるのです。もっともっと顧客密着型に徹しなければなりません。
 今後の競争力を見極めるには3つのポイントがあると思います。1つは焦点を絞ることです。過去10年間で成功を収めた企業は、焦点を絞り込んで活動している企業ばかりです。あらゆる分野を網羅している企業ではありません。2点目は、顧客に最適な解釈・説明・解決を提供する力があるかどうかです。3点目は、自前で製造までできる企業と受託生産会社に依存する企業と2極化が進むだろうということです。

★ 日本ゼオン会長 中野 克彦氏 ★
 「百尺竿頭一歩進めよ」、何事も努力し尽くした上で、さらにもう一歩努力してこそ高い到達点に至ることができるという意味である。…撤退する以上、代わりの事業は不可欠である。研究開発部門は市場ニーズやコストへの意識が希薄ではいけない。研究テーマに事業性があるか、他社にない独自製品を開発しない限り成長はありえない。…会社に活力をもたらすのはやはり社員との信頼関係。経営陣と社員が一丸となり知力を尽くす日本的経営の強さを忘れずバランスを取ることが大事と思う。

★ シナノ(スキーストックの製造販売)社長 柳沢 光臣氏 ★
 トレンドを読み間違えると本当に恐ろしい。戦略を間違えたら、戦術では取り返せないことを思い知った。経営管理の手法を次のように見直した。品種別に営業利益を管理し、目標管理も徹底し、賞与の額も営業利益に連動するようにした。経費などの経営情報も、個人の給与明細以外はオープンにした。「1円の黒字と1円の赤字は天国と地獄の差に等しい」「頑張れといっても社員は動かない。誰もが会社のデータを分かるようにすれば、社員はおのずと頑張る」「4ヶ月の賞与は当たり前、それができて初めて企業といえる」「3~4年先を見据えて、以下に事業をシフトするか。そのことを考えると怖い。」

持続的発展への道   東京大学名誉教授 宇沢 弘文氏
 21世紀に入り温暖化、生物種の多様性の喪失などの地球環境に関わる問題が、これまで人類の直面した最も深刻な問題として、まさに「ダモレスの剣」(幸福は常に危険にさらされている事の例え)のように私達の頭上に迫っている。そこには、産業革命を契機として展開された近代科学を基礎とする技術に対する過剰な信頼感と新古典経済学に基づく社会的、経済的制度を是とする非人間的生き方が支配している。最近、ブラジルの優れた若い研究者ユージニオ・ダ・コスタ・エ・シルヴァ氏の研究を通じ、この倫理的偏向を身にしみて感じさせるエピソードを知る機会を得た。米国の製薬会社が開発する新薬の相当程度は、次のような形で作り出されているという。米製薬会社は数多くの専門家をアマゾンの熱帯雨林に居住する少数民族の集落に送って、その長老あるいは医療担当者を訪ね、伝承的に受け継がれてきた医療の技術を聞く。それは、アマゾンの熱帯雨林の中に生息する動植物、微生物や土壌、鉱物などについて、どのような症候、疾病、傷害の治療にどのように使ったらよいかについてである。長老たちの中には、一人で5千種類に及ぶ治療法を知っている人もいるという。専門家達は、これらのサンプルを本国に持ち帰り、化学分析をし人工的に合成して、新薬として売り出すというのである。近年、米製薬会社は巨大な利潤を得ているが、そのかなりの部分が、このような形で行われる新薬開発によるといわれる。そこでブラジル政府は米製薬会社がアマゾンの長老たちに特許料を支払う制度を新しく作った。ところが、長老たちはこぞって米製薬会社から特許料を受け取ることを拒否したのである。自分の持っている知識が、人類の幸福のために使われることほど嬉しいことはない。その喜びをお金に変えるというさもしいことはしたくないという、ヴェブレン的な理由からであった。あくどく利潤を追求して止まない資本主義的企業のあり方と、アマゾンの長老たちのすがすがしい人間的な生き方との、この鮮明な対照の中にこそ、現代文明の病理学的現象の象徴である地球環境問題を生み出した理由を見出すことができる。それはまた、21世紀において人類が直面する様々な難問代の根元的な解決につながるものであるように思われる。

★ ライブドア前社長 堀江 貴文氏 ★
 営業しないと成果はついてこない。売上はついてこない、利益はついてこない。口説かないと女はついてこないのと全く同じです。営業して利益を上げ続けるという基本を外さぬ限り、可能性がある。

ワタミフードサービス社長 渡辺 美樹氏  
 今の教育で最も欠けているのは子供たちに夢を持たせること、人生の目標を設定させることだ。単にいい大学へ入ることが目的では大学入学と同時に目標を失い、腑抜けになってしまう。大学生向けの就職セミナーで「好きなことを仕事にしたい人はどのくらいいるの」と聞いても手が挙がらない。給料や働く時間、休みの話のやり取りばかり。「違うぞ、モノじゃないぞ人生は」と言いたくなる。親にも教育に対する哲学がない。学校への依存心が高過ぎる。人格の形成、きちっとした生活習慣を身につけさせるのは、親の役割が大きい。大学だけが人生ではない。子供の適正を見極め、「この子を幸せにするには」を考え、適切なお金の配分をしていくことも大事になる。

★ りそなホールディングス会長 細谷 英二氏 ★
 事業を考える場合、まず現実を直視して問題をつかむ。その上で議論を尽くして「あるべき姿」を描き、次に何をすべきか探る。経験や感覚に頼らず、あくまでも「論理」で戦略を考える。改革の成果が出て黒字になった時こそ、社員が昔に戻りたがる。昔に戻らないよう、変革のスピードを上げなければならない。経営改革とは、心の改革であると信ずる。重要なのは社員の意識を変えていくこと。

IDEOゼネラルマネージャー トム・ケリー氏
 1980年代「強い意志と勤勉さ」を特徴とする日本的経営は、世界で最も優れた経営として称賛を集めていた。21世紀に入った現在、もはや過去にしがみつくだけでは生き残れないと言うことに誰もが気づいている。人は職務規定だけでは動かない。社内のグループや個人が、職務規定を超えたイノベーション手法を身に付け、企業風土が変わった時、初めてビジネスにイノベーションが生まれる。自社の顧客を深く観察することにより、これまで見逃してきた潜在的な需要を発見することができる。観察の基本ルールは4つ。①先入観を持ってはいけない、②人間の行動に興味を持とう、③直感に耳を澄まそう、④「アイデア帳」をいつも携帯する。自分が属する組織が世界の全てを構成しているわけではないと認識する謙虚さ、そして外へ飛び出して必要な情報を持っている人を探すエネルギー、この2つの資質を持っている人がアイデア、ブローカーになれる。革新的な社内文化を創り、高いブランドイメージを発信するには、何よりもまず企業は夢を語らなければならない。夢の共有は、スタッフをやる気にさせ、顧客の共感を呼ぶ。企業は顧客や提携相手、社員に向かいメッセージを発信し続けよう。

★ 日本マクドナルド社長 原田 永幸氏 ★
 ビジネスはまず技術や革新性で市場が生まれ、次に価格競争が起きる。その先は「無形の価値」が求められる。業績悪化はQSC(品質・サービス・清潔さ)を疎かにしたのが原因だ。迅速に商品を提供するといったサービス面の投資が欠けていた。消費者の価格への意識は、高いか安いかではなく、総合的な価値を求めている。千円で納得する商品もあれば、百円でも納得できないものもある。1店舗あたりの売上高を高めるために、引き続きQSCを強化する。客席数を変えたり、店に入りやすい雰囲気を整えるなど改装も進める。我々は子供、家族、若者が主要客。その中で新規客を獲得し、来店頻度を高めるチャンスはまだある。

★ 一橋大学教授 伊丹 敬之氏 ★
 藤本隆宏氏の「日本のもの造り哲学」では、現場の競争力が必ずしも企業の収益力につながらないのは、本社の戦略性が弱いからだという。氏の製造論は実にユニークで、「生産とは工程から製品へと設計情報を転写していく作業だ」と喝破する。その設計情報の転写の流れがスムースに出来ているから生産効率が高まる。
 どのような製品を造るかという戦略の鍵は「複雑からくり」という言葉にありそうだ。製品そのものが複雑からくり、工程が複雑からくり、顧客ニーズとの対応が複雑からくり、その三つの種類のからくりがありえる。こうした複雑からくりをきちんと実現するために、日本企業の得意技である「擦り合せ能力」が活かせる。

日本経済新聞編集委員 鹿嶋 敬氏 
 杉山春氏著「ネグレクト」が明らかにするのは、虐待には「家族の病理が潜んでいる」こと。事件の当事者夫婦は自分あるいは配偶者の親との葛藤を抱え、素直に助けを求めることが出来なかった。親とのいびつな関係は子育てにも影を落とし、子供とのコミュニケーションが図れない一因になる。そしてこの夫婦の親も若い頃は、例えば義父の暴力が日常茶飯事だったなど、悲劇の背後に暴力の連鎖も見え隠れする。若い父親の子育てへの非協力ぶりも深刻だ。 2003年度に全国の児童相談所に寄せられた虐待相談の処理件数は約2万6千件。10年間で16倍も増えている。

★ オリジン東秀 「愚直こそ王道」 ★
 弁当惣菜店「オリジン弁当」を首都圏に約500店展開するオリジン東秀。同社が行動指針として掲げるのが「愚直こそ王道」だ。「一人一人のお客さんを大切に」「一品一品真心込めて作る」など「当たり前のことを当たり前にやることでお客さんに支持される店舗になろう」(山崎泰弘社長)との思いを込める。
 多店舗展開のチェーン店は効率性を追及する余り、マニュアルどおりの無機質なサービスに陥りやすい。主婦の代行業を標榜するだけに、味だけでなくサービスでもおふくろのぬくもりが感じられる店舗づくりを目指す。
 社長自身も週に2回は店舗を回って店内を清掃するほか、誰よりも早く仕事を始めようと毎日7時半には出社する。「肩書きや権力で会社をひっぱるのではなく、まじめに働く姿を見せて社員のやる気を鼓舞したい」(山崎社長)。奇をてらうのことなく地道な努力の積み重ねで、激化する中食業界の競争を勝ち抜く構えだ。

★ スズキ会長 鈴木 修氏 ★
 「5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)」は生産現場の基本中の基本。だいぶ出来てきたと自己満足を感じつつ何気なく視線を上に移してハッとした。天井の換気扇が油にまみれ真っ黒になっていた。5Sなんてえらそうに言っていたが、目に付く“表通り”しか出来ていなかったとは。2年前の出来事だった。製造業は良いも悪いも現場が全て。工場監査を始めて17年経つが「よくもまあこんな初歩的なことが…」と思うようなことが毎年出てくる。欠点を改善すると、次の欠点が見えてくる。上だけではない、下だってよくよく見れば、機械の下にとぐろを巻く配線は火災の原因になりかねない。横に目をやれば、長すぎて垂れ下がっているエアホースに現場従業員が足を引っ掛けるじゃないか…。
 例えば「%」、達成率、不良率、稼働率何でも%で物事をとらえてきた。しかし、例えば同じ不良率1%でも、1個が1円のボルトと1万円のバンパーでは会社に与える損害は全く違う。%の物差しは過去の遺物、これからは実数で考えろと指示している。
人材の欠如もそうだ。売上の伸びに見合う人材の育成を見落としてきた面がある。設備投資は金で済むが育成は一朝一夕には行かない
 「失敗は成功のもと」というがあれはうそ。「同じ過ちは繰り返さない」とも言うが、私は同じ失敗を何度も繰り返してきた。会社経営に連戦連勝なんてない。失敗が50%、成功も50%が普通。だから失敗を恐れてはいけない。何とかして成功を51%に高め、結果的に会社を発展させるのが優れた経営者であり、自分もそうありたいと願っている。
 
【日経ビジネス他の印象記事・言葉】
*戦後の混乱期にトヨタが倒産の危機に追い込まれたのは、儲けることができなかったからです。自分の城を守る第一歩は、財務内容の改善で、その行き着く先が無借金経営です。(トヨタ自動車最高顧問 豊田英二氏)
*イノベーションが起きるのは、あくまで企業の活力である。
*仕事暦、経験暦、学習暦。

[ 更新:2006-06-02 14:57:03 ]

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