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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

知識ベースと経験ベース

私自身はまだまだ不充分なのだが、50歳を超えて改めて教養は大切と思う。人類の歴史、先人が積み重ねてきた哲学、思想、倫理を身につけている経営者と、そうでない経営者との差を強く感じることがある。

 現在まで年齢を重ねて、これから先の可能性は若い時と比べると限られるのかもしれないけれど、自分の過去の良いことも悪いことも、味わいながら思い返せる時間が増えている。最近の金融不況や株価の暴落を見ると、持たない者の幸せもあるのだと思ってしまう。これからは、かなうなら力の支配ではなく文化的な付加価値を、量ではなくて質を、性能競争や価格競争だけではなく、美しさを感じるものに価値が移行していって欲しいと思う。
 人間は実に色々な思惑で動いている。この中にあって、何をどうやるべきか、どのようなことが人として正しく、どのようなことを慎まなければいけないのか、そのような判断力は「人間」を知識ベースと経験ベースで学ばなければ身に付かないのだろう。

 東京工業大学教授の本川幸雄氏は、「生物は固有の時間を持つ。小動物は進化が早く短命。大型動物は長命だが環境変化に弱い。このルールは会社にも当てはまる。」という。確かに経営は人が営むものだから、自然の法則の大きな流れの影響を受けていることは間違いない。俊敏さを取込み、老化を乗り越えようとする大組織もあるだろうし、短命を克服しようと挑戦する小企業もあるだろう。残念ながら流れに飲み込まれる大企業も中小企業も出ている。苦しみながらも永続的な価値を創造する道筋を求めての模索がしばらく続くのだろう。
 会社は経営資源を活用して利益を生むための存在だ。企業活動、経済活動は結局「人間」が担っているのだから従業員の福祉の向上も大事だが、利益の最大化との調和も必要だ。
 創造経営の勉強を始めたころ、教えられた言葉を思い出す。
「リーダーは。ハウツーをいくら知っていても部下はついてこない。」「部下は上司の言葉ではなく、やっている行動に反応している。」「経営者としての人間の厚みが人を動かす。」

[ 更新:2008-11-18 15:51:39 ]

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