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信頼できる部下と要注意の部下

皆様の事業(ご商売)の種類は多種多様と思います。一人又はご夫婦で会社をされている場合は別として、企業規模はあるでしょうが、仕事をする際は数人単位のチームを組んで、取り組まれていることと思います。

皆さんがマネージャー=チームリーダーとしてプロジェクト(現場や案件)を手掛けられる際、仕事を進めるにあたり、チームメンバーを選び、部下(スタッフ)にいろいろと仕事を振り分けていることと思います。
その際、ご自分のチームには、さまざまなタイプの個性があるはずです。例えば、自分の右腕として、実際のプロジェクトの進行全体を仕切る補完者(補佐役)的な人、数字に強い人、職人芸を持つ人、など特定分野に秀でている人、事務的な作業全般を請け負う人など、多種多様です。
その中でもご自分が「信頼できる」と思える相手もいれば、これまでを振り返り「うーん、今回はどうなんだろう?」と仕事の質に疑問を抱く相手もいることと思います。
そこで今回は、特定の相手に対する個人的な感情はともかく、実際に信頼できる部下かどうかを見分ける私なりの経験をお話ししたいと思います。
最初のポイントは、何か問題が起きたときに、責任の所在をどこに持っていくかということです。プロジェクトは規模が大きい場合、初めての事例の場合、難易度が高い場合は、進んでいくに当たり何らかのトラブルは必ず発生します。その際に「景気」や「運」というように外的なことにすぐに責任転嫁をするようなスタッフは信用し過ぎてはいけません。外的な要因は、彼・彼女だけでなく、ほぼすべての人が平等に影響を受けるわけですから、そのような中でも上手にこなす人はいるわけです。
では信用できる、そして、その「上手にこなす」スタッフとはどういう素養を持っているか振り返ってみて下さい。うまくいかなかった理由を、自分のやり方や知識に問題はなかったか、事前の計画に見落としている内容はなかったかなど、「内(自分)」に原因を見つけ、それを明らかにした上で、周りのメンバーの気持ちをくんで上手に巻き込んで解決する、もしくは一緒に改善してしまうという人材です。
あなたがマネージャーとして、プロジェクト全体や、それぞれに振ったタスクの進捗状況を報告してもらう際、「うまくいっている時は自分が良く、うまくいっていないときは外的な要因や他人に責任を転嫁する」スタッフにはあまり重要な仕事を与えず、いったん担当から外すか、もしくは、一度そこで仕事をストップさせ、きちんと状況分析を行うことをお勧めします。
このタイプは、大体自信過剰で「自分に限って失敗しない」と思い込んで墓穴を掘り続けるか、まずいと思った時に一発逆転ホームランを狙うも三振し、その後エラーもするというタイプです。もしくは極端に自信がなく、常に後ろ向きになっている傾向がありますので、できないのにやらされた、事前に教えてもらわなかった、だから嫌だと言ったのに、と反応します。ですから、なんか変だと思ったらすぐに一度立ち止まり、一緒に状況の把握をすることが大事になってきます。
次のポイントですが、よく言われる「報連相」が頻繁にできるスタッフは信頼がおけると考えてよいでしょう。それぞれのスタッフに、担当分野の進捗状況を定期的に報告するように伝えていることと思いますが、信頼できるスタッフの場合、こちらから聞かなくとも大丈夫です。仮に期限が金曜日だったら、大体水曜日ぐらいには自分から一度進捗状況を報告し、何か行き詰っている、もしくはマネージャーの出る幕があれば、相談をしてきます。その際に「現状」について報告し、何か問題があればそれを伝え、自分には何ができて、何ができない(つまりマネージャーの出番)のか、そしてマネージャーに具体的に何をお願いしたいのか、という内容をフルに詰めて、それを整理して伝えてきます(まとまっていなくとも、迅速に対応するという姿勢がみられるかと思います)。
危ないのはこの逆のパターンです。報告はいつもぎりぎりか遅れ、一人で抱え込み、問題が大きくなりすぎてから泣きついてくる、という感じです。普段から、前者のような姿勢を、マネージャーからチームメンバーやスタッフに伝えておく、依頼しておくことがとても重要になります。
あとは、私がいつもお勧めするのは、マネージャーであるあなたも含め、一人ひとりが「自分のプロフェッショナルタイトルは何か?」というイメージをクリアに持っていることです。ここでいうプロフェッショナルタイトルとは、肩書ではなく、「自分はどういったことのプロとして自負しているか」という、仕事人としての自分に付けるタイトルです。このプロフェッショナルタイトルの大事さについては、自分で自分はどういったプロか、を認識できている人は、マネージャーであれ、スタッフであれ、私は、仕事をする上で、信頼に値すると思います。
最後に、これは社会人としても、恐らく人としても当たり前のことですが、決して嘘はつかないことです。私にも大変痛い経験がありますが、その場しのぎでついた軽い嘘や冗談が、気がつかないうちに雪だるま式に大きくなり、自分に戻ってきた際にはもう手に負えないことがあります。
正直、場合によっては破滅的なダメージでしょう。仮にその場では自分にとって不利に思えることでも、誠実に考えを伝え、相手に対して接する人は、私は本当に信頼のおける人だと思います。こういいつつ、再度、自分の気持ちを引き締めているところです。

[ 更新:2014-10-04 11:37:39 ]

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