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「尊属殺人罪」 覚えていますか?

今から45年前の事ですが、私が大学で刑法を学んでいた頃「尊属殺人罪」というものがありました。 これは、自分または配偶者の直系尊属を殺した場合、死刑または無期懲役となるというものでした。(当時の刑法200条)

通常の殺人罪は「3年以上の懲役」もありますが、尊属殺人はこれがなく、罪が重すぎて不平等として、その後違憲判決が出て尊属殺人の条文は削除されました。

法哲学者の長尾龍一著「遠景の法学」では「違法行為は合法的な欲望満足の道が閉ざされた時に生ずる」と書かれていました。
当時の刑法の基本書刑法綱要:団藤重光著にも「実際には尊属殺の事案は、具体的情状において通常の殺人罪の場合よりもむしろはるかに同情に値するものが多い」と書かれていました。当時のいくつかの尊属殺人の裁判事例を読んでは、学生仲間で本当にそうだ、と納得したものです。

近年の子供の親に対する殺人事件や孫の祖父母の殺人事件、逆の親が子を殺す事件、ましてその子供が幼児の場合を掘り下げると、何が見えてくるでしょうか。

私たちの規範意識はどのように形つくられるのか、改めて考えたいですね。
法哲学者の長尾龍一著「遠景の法学」では、「反復された事実を正常なもの、当り前のものと皆が感じられるようになって、この正常なるもの、当り前とされるものが規範として成立し定着する」と書かれています。
ということは、反復されないもの、実際に起きないこと、皆が当たり前と認めないことは規範とは成り得ないことになります。
さらに、皆が規範と認めても、個(孤)は規範と認めないということも起きてるように思います。

何故こうなるのかは分かりませんが、自分の解釈で世の中の規範を認めない人も現実にはいます。
そういう人は、所詮世の中は不条理なものとして、彼の自己肯定他者否定が強く出ると、経営者や上司の目の届かないところで、あるいは経営者や上司の目につかないところを選んで、経営者や上司に反抗し、勝手気ままに振舞うことでしょう。
その問題行動は不良やトラブルを起こしますから、その後始末は大変です。

そういう事実を把握したとき、経営者や上司はその社員に対して、どのようにすべきと思いますか?

[ 更新:2018-08-24 14:28:07 ]

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