過去のことを分析し、現在起きていることを解読することによって、自分の将来の構想がより具体的にイメージできます。未来に向けた実現可能なシナリオを、自分自身で書いていきましょう。
1.平成21年を振り返る
21年の初めはどのような1年となるか視界不良でした。21年12月を迎えた時、年次契約のお客様では赤字決算企業はごく一部。80%以上が黒字決算で1年を終え安堵しました。少数の赤字決算企業も、平成20年の石油関連品目の高騰の影響によるものでした。増収増益企業もありますが、多くは経費のムダを年初から徹底して洗い直し、やや減収減益ながらもしっかり黒字を守ったのです。経営者と社員の、「絶対赤字にしない!」という気迫がこの結果を生みました。
(1)平成21年から続く黒字企業の特徴
・トップが本気、利益を出すことを使命として、絶対赤字にならぬように日々考えて考えて考え抜いている。
・行動が早い。良いと思った事はすぐに試してみる。試してだめなものでも、何とかできないか工夫をしてみる。工夫をしてもだめなものはきっぱり捨てる。
・社員の能力(キャパ)を踏まえて指示命令を出している。「人間は能力を超えた仕事は出来ない」「やる気のない人間は能力があってもやらない」と割り切っている。
・計数チェックを怠らない(会計の役割と重要性も知っている)。
・業界動向、得意先動向・競争相手の動向を、5年10年スパンで観ている。
・約束は絶対守るし、とても義理堅い。
・関わり、ご縁、人を大事にするから、信頼され信用され続ける。
(2)平成21年から続く赤字企業の印象
・自分の言葉に責任を持たない。約束が軽いしすぐ忘れる。催促されても知らんふり。
・モノ金に打算的で即効性だけを求める。地道なものは試そうともしない。
・返事をしない。用が済むと無視をする。当然お礼を言うこともないし、感謝の心がない。
・自分の気持ちは分かってもらおうと努力するが、相手の気持ちには無頓着。
・何でも人のせいにし、自分は悪くないと言う。
2.平成22年1月に発信したこと
① まず自社の損益分岐点売上高を把握しよう。
②年初予測した売上高で、何も手を打たないとどうなるか? 最低でも向こう1年間、できれば3年間の損益予測と資金予測をしよう。そして資金の過不足高を具体的に把握しよう。物事は、あいまいに取組むとあいまいな結果にしかならない。
③金融機関からの今後の融資見込(融資限度額)、個人(自分や親族、役員たち)からの資金補てんの見込み額を把握しよう。資金があれば赤字でも倒産時期は遅らせるが、資金がなければ黒字でも倒産する。
④赤字企業は我社が今廃業、解散、倒産した場合、誰が、どの程度困るかを考えよう。多数の顧客が困るということは、我社に存在価値があるということだ。債権者が困るということは、対処を誤ると怨みをつのらせることになるので要注意となる。
⑤損益均衡、資金収支均衡するにはどうしたら良いか、自分には何ができるか、誰が一緒にとことん協力してくれるのか、冷静に考えよう。
3.平成23年1月に取組もうと発信したこと
① 高品質と低コストの両方を追求し、なおかつ必要な利益を獲得しよう。
★ 低価格で、分かりやすい付加価値のあるモノやサービス。
② 自社の強みを伸ばし、差別化要素を明確にし、競争力を底上げしよう。
★ 自分が本音で面白い、これは良いと思えるモノやサービス。
③ 得意先の要求する仕様・価格に敏感になり、フィットさせる努力を惜しまない。
★ 自分が関わる人の、本当の気持や本当の声を聴く。
④ 常に学び、成長しよう(知らないことが分かるように、できなかったことができるように、下手だったものが上手になるように!)。
⑤してもらう、つくってもらう、待つ一年ではなく、自分から働きかける、つくりだす、つながる(関係性を強める)一年としよう。
★ 強く印象に残らないと売れない時代。
⑥才能(知識・経験やスキル)を褒め合う土壌(社内文化)を育む。
⑦基本は礼儀と節度(マナー)、読み書きソロバン、きれいな言葉の毎日。
*企業は競争関係にあるけれど、良くも悪くもお互いに作用し合っているし、影響も与え合っています。昨年一年を振り返ると、その中で存在感を持って生き抜くには、企業の存在価値と自己規律力はこれまでより一段と高いものが求められた感がします。本当に努力が簡単に報われない一年でした。しかし積年の事業(商品)開発努力をしたところは、着実に芽が出て成長(売上)につなげた一年でもありました。
企業の規模ではなく、小さくともお客様と真心で向き合った小規模企業は、増収増益でした。人と人の関係性(相互信用と相互信頼感)と売上が、まさに比例する場面を何度も見ました。
[ 更新:2012-01-04 08:46:29 ]