創造経営コンサルタント吉見 - head

経営コンサルタント吉見からのお知らせ

吉見事務所通信 2007年3月号より(第40号)

最近この事務所通信以外の書き込みができず残念に思っていますが、手が空きましたらいろいろ発信していきます。
【趣味:音楽 JAZZ】【創業・起業】【創造経営コンサルタント部会 MSC-NET】

 今回は3月に入りこの通信を書き始めています。いつもは発行する1週間前には原稿を固めるのですが、2月は有難いことに変に予定が入り続け全く作業ができませんでした。10日ほど前に、東京で大学時代の恩師(刑法担当)にお会いし、一緒に食事をさせていただきました。その時私がお送りしている事務所通信をお持ちになり(お会いする時には、毎回持参されます)、「よく毎月書き続けるね。時間も気力もよく続くもんだ・・・」とコメントいただき、「実は3月号は全く手つかずです。」と答えましたら、にこにこ笑いながら、「じゃあ、その様子を書きゃいいじゃないか。」と屈託なく言われ、和やかに会話が続きました。ゼミの同窓会も、「形にはめず、集まれる時に、集まれる人たちで、都合の良い場所で、人数に関係なく自然体でやればいい。」といういつものお話でした。大学を卒業しもう30年。恩師の退官を機に久しぶりにお会いし、以後お忙しい中毎年一度静かに、ゆっくり語らえる場を作ってくださる先生には心から感謝しています。お会いするたびに人間関係、絆の大切さを教えられます。
 ところで、昨日訪問したお客様(高校の先輩でもあります)に「3月号の事務所通信が白紙です。明日から書き始めます。」と話しましたら、「吉見さん、休刊もありですよ!気楽に、気楽に・・・まあ、吉見さんの性格もあるか・・・」とプレッシャーを和らげる言葉も頂きました。感謝してその言葉をいただきました。

【趣味:音楽 JAZZ】
 札幌ジュニア・ジャズ・スクールの第7回ファイナル・ライブがありました。小学生と中学生のグループの卒業ライブです。このスクールは、ジャズとの関わりの中から、個々の感性や自己表現力を高めてもらい、音楽や社会に関することを仲間とともに考え、体験していこうとするものです。主催は札幌市芸術文化財団です。今年は小学校1年生のトランペット担当の女の子も加わり、昨年8月の野外コンサートのときと比較し、はるかにレベルアップした演奏を聴かせてくれました。中学生たちは、昨年8月にオーストラリアに遠征し、日豪交流年のライブコンサートのオープニング・アクトを務め、大喝さいを浴びたそうです。この中学生は私がグループサウンズをやっていたころの、当時のプロ以上の音を聴かせてくれます。
 ここで考えたいことは、楽器を手にしたことがない子でも、1年という期間、中には連続して参加される子もいるようですが、その子たちはわずか数年で過去のプロのような音が出せる成長力です。仕事の場面では、「うちでは人が育たなくて・・・他と比べると見劣りするんだよね・・・」という会話が珍しくありませんが、やりたいこと、やって欲しいこと、できることのバランスを常に取るべく、経営者・管理者・一般社員が共通目標を持ち、持続して自己成長を図る風土を作っていきましょう。化石や骨董品は価値があるでしょうが、単に陳腐化したものに商業価値は生まれません。音楽のライブにでかけると、常にスキルを磨き続けなくては、という気持ちにさせてもらえます。

【創業・起業】
 コンサルタント業務を行う中でご縁をいただいた創業・起業のスタイルをいくつかご紹介します。許可をいただいた方は実名で、それ以外は名前や場所を変えてあります。皆さんのご支援や励ましをお願いいたします。ただし実際の創業・起業はなかなか大変なことです。安易な退職や独立をお勧めするものではありません。

(1)週末起業…通学路評論家・通学路コンサルタント 池田もりちか氏(http://www.tsugakuro.com)
「週末起業」って何?と思う方もいるでしょう。会社を辞めずに、小資本で、インターネットを使って起業することのようです。こうして“リスク”を最低限に抑えつつ、副収入を確保(収入源の複数化)し、勤務先からの自立(キャリアのリスク分散)をし、起業願望を充足する、を目指します。
 池田さんは1974年横浜市生まれ。少年時代を横浜市緑区で過ごし、小学校5年生の時に東海道歩き旅行、書道展に伴う中国旅行、文化祭のお化け屋敷の設計、合気道で関東大会出場などを経験し、現在の職能の基礎を築かれたそうです。もちろん通学路では大いに遊んだとのこと。1994年より、大学で専門としていた都市計画、教育社会学、土木防災計画、環境デザイン、自然少年教室の運営等の観点から、通学路の研究を開始。独自の「通学路理論」を構築され、現在、日本唯一の通学路コンサルタント・通学路評論家として「通学路利用、通学路防災、通学路防犯、通学路環境」の4つのアプローチからコンサルティング・評論・研究に取り組んでいます。
 無料メールマガジン「まぐまぐ!」にて『子どもが幸せになる通学路/学区で読み解く少年時代のふるさと診断』配信中です。私も送っていただいておりますが、池田さんの文章力、論理構成力は立派です。これまで19回発行されていますが、毎回かなりのボリュームで、その生み出すエネルギーには感服します。資格はデザイン工学士、技術士補(建設部門)とのこと。私が見る課題は、このサービス(役務)に対する対価の支払い者(ユーザー)の絞り込み、誰をターゲットとするか、有料かつ持続的商売としての導入初期の賛同者(フアン)や支持者の獲得、このサービスの社会的有用性の認知度アップというマーケティング面と感じています。民需として、あるいは公需として需要開発ができるかどうか、今後の池田さんの展開を楽しみにしています。

(2)NPO法人 あそベンチャースクール 代表 田中 住幸氏(http://www008.upp.so-net.ne.jp/asove/sankasuruniwa/sankasuruniwa.html)
 彼のブログはhttp://blog.so-net.ne.jp/lupa-asove/です。田中さんのブログによると、「大阪を出て17年、札幌に来て13年、結婚して10年、親になって9年、独立して5年」とのことです。現在35歳、まさに体育会系の素晴らしい体格で、2月に行った創造経営北海道支部主催「自己開発セミナー3日間」(講師吉見)にも参加して下さいました。
 あそベンチャーの活動はいわゆる遠足スタイル、都市型の自然学校とか体験スクール、あとは、素直にアウトドアスクールと呼んだりしているそうです。次世代を担う人材の、幼少期のベース創りに貢献すべく、次のように活動されています。
<設立の目的> 青少年に対して自然体験活動をはじめとする野外教育、環境教育、冒険教育、体験教育活動に関する事業を行い、21世紀を担う青少年が生きる力を培い、明るく元気に大きな夢を持ち生きていける社会づくりと自然体験活動の増進に寄与することを目的とする。
<主な事業>
 自然体験活動普及事業:小学生を対象にした自然体験活動を実施(年間約70事業主催)
 幼稚園等への自然体験活動の企画・運営・指導協力
 自然体験活動指導者養成事業:社会人・学生を対象にした指導者養成事業を実施
 市内の青少年施設等への研修講師派遣、救急法・安全に関する講習等を実施
<主な年間行事>
 あそベンチャースクール:市内小学生を対象にした日帰り・通年継続型の体験スクール(年10回/1コース)。
 自然体験活動推進プロジェクト 自然あそびのススメ:市内小学生を対象に春・夏・冬に実施する日帰り自然体験活動イベント。
 夏休みキャンプ、冬休みキャンプ
<主たるフィールド> 札幌市内・近郊フィールド(三角山、手稲山、琴似発寒川周辺など)、長期休暇中のキャンプでは、神恵内村・南富良野町・鹿追町など
<事業の特徴> ●気軽に参加できる活動 ●ドキドキ・ワクワクできる活動●子どもも大人(スタッフ)もみんなでに夢中になれる活動が、モットーです
<出版物・販売グッズ等> 自然体験活動推進プロジェクト 自然あそびのススメ =活動の記録= [全4部]、(絵本風2部、マップ風2部、無料配布中)

 NPO法人という性格上、単価設定が営利法人のようにはいかずご苦労が多いようです。ライフサイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)の観点から見ると、導入期が短く急成長すると、成熟期・衰退期のスパンも非常に短いという傾向があるようで、短命に終わってしまいがちです。田中さんの年齢から、これからが職業人生の成長期に入るところでしょうか。あそベンチャー卒業の子供さんたちが、10年、20年後にカムバック・サーモンのように成人後、親子であそベンチャーに参加する循環構造を、長期的視点で構築できるかどうかが鍵となるのかな、などと考えています。創業5年ですから、いったん事業見直しの時期ですね。創業期のいけいけどんどんのエネルギッシュな運営から、5年間の経験を隠し味にしたうま味の増す運営に変わっていくことを期待しています。

(3)団塊の世代のリスタート
 団塊世代1期生の甲さん。彼は首都圏で大手企業の営業戦士でした。都会の喧噪と競争からご自分を癒す意味で、3年前に札幌から150キロ以上離れた土地に別宅を建て、自然に近いところで定期的にリフレッシュされていました。最近疲れも癒されて、今年正式に退職を決意、インターネットを使えば首都圏にいてもローカルにいてもやり取りには不便がないことを実感され、北海道の別宅を拠点に創業されます。昨年から航空運賃の割引制度が充実したことも追い風の一つでしょう。現在の人脈を生かし、創業御祝儀契約のお話もあるようです。いい人間関係を築き、信用という貯金を堅実に続けてこられたことが今後生きてくるようです。
 甲さんは個人のスモールビジネスとしてのスタートですが、必要とされる方がいる限り生涯現役、健康で長生き、夫婦仲良くの見本を示して下さるようで今後が楽しみな方です。

【創造経営コンサルタント部会 MSC-NET】
 MSC-NETという研究会の第2期が終わりました。1期1年、一カ月おきの二日間の東京で創造経営コンサルタントの事例中心の自己啓発と相互啓発の場です。参加者の中では、私もすでに年長の方に入ります。私の年齢と実力は必ずしも比例しておりませんので、謙虚に学んでいます。
(1)成果
 本音のところでは、経営者もコンサルタントも成果が上がらないと決して評価されません。成果とは売上であり利益です。売上が伸び、利益が確保されて初めてコンサルタントの用いる理論が理解され納得されるというのが現実です。私たちは原単位管理を行います。部門別、店舗別、セールスマン別、車両別というように会計手法を駆使して詳細を知り、赤字や黒字の原因を知り、赤字を黒字に転換する提案ができるよう努めます。不採算の原因が、店舗にあるのか、立地か、車両か、得意先か、営業マンか、運転手か探っていきます。実務では、この作業に協力的な会社と非協力的な会社に分かれます。面倒だ、仕事が増える、一体何の意味があるんだ…という反応です。原因が分からなければ、対策は打てません。情緒的な、感覚的な不採算原因ではなく、事実としての不採算原因を見つける必要があります。今回の厳しい指導は、「コンサルタントであるなら、事前に不採算原因を予測し、対策を常に練りなさい。会計手法を駆使するのは、予測が正しいかどうかを検証する作業だ。」というものです。
(2)経営者の意志
 私が見る多くの中小企業経営者はエネルギッシュで、その企業で一番優秀で、よく働きよく勉強し、少し(?)わがままです。赤字で困って相談に来られる経営者は、優柔不断型が多いような気がします。確かに何年も赤字が続くと、弱気になり、他人のせいにしたくなるのでしょうね。「会社を見るうえで、まず経営者をしっかり見る。経営は経営者の姿の表れだから、経営者に潜む問題の本質を見る能力を高めよ。」とMSC-NETで教えられます。コンサルタントにとって、黒字に転換し、その状態を持続するには、経営者に経営に対する明確な意思(使命)を持っていただくことができるかどうかが極めて重要なポイントです。 主体のないところには従属・隷属的な経営しかありません。中心が定まらなければきれいな円は描けません。経営は、リーダーがリーダーシップを発揮して人を動かし、適正に動いた結果として収益を生み出すものです。私個人では、経営者に影響を与えられない場合もありましたが、最近では創造経営北海道支部で関わる企業経営者同士が集まる場、創造経営本部コンサルタントのバックアップ、教室担当者の支援と組織的に経営者に影響を与えられる環境がゆっくりした歩みですが整いつつあります。皆さんも参加され、一緒に幸福を実感できる経営体を創っていきましょう。
(3)トップの右腕と左腕の役割を担う人
 創造経営では「3代75年永続する企業を創っていこう」と言っています。そのためには、経営は継承されるものとして、トップの自己成長と同時に右腕と左腕の役割を担う人を育成していく必要があります。現実には、目先に追われ右腕と左腕の育成が後回しになってしまいがちです。時には、「もういい年なんだから、自分で伸びろ!育成なんてやってる暇なんかない。」と言う経営者もいます。以下、創造経営的表現となりますが、企業の人の育成状況と、トップ・幹部の家庭の子孫の育成の関係は相似関係になることが多いのです。乱暴に表現すると、「家庭が崩れていては、組織の成果も遅かれ早かれ崩れる。」ということです。企業の崩壊、学級崩壊の原因は家庭の崩壊ではないでしょうか。コンサルタントは、パワーを持って、回答をしっかり持って、トップにしっかり関わることの重要性をMSC-NETで教えられます。実行するのはなかなか大変ですが、向き合うエネルギーをあちらこちらで充電しています。

[ 更新:2007-03-02 14:17:31 ]

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