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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

企業の社会的責任(ミック研究所 所長 佐藤茂則先生からのメッセージ)

企業の社会的責任が問われる時代になったが、不思議に偽装行為や倫理に反する事件が途切れない。営利企業であり続けるには、利益を生み出すのが第一義であることは確かだ。 

 赤字で税金を払えない会社が増えれば納税額は減るわけだから、それだけ社会の力が衰える。さらに倒産ともなると、そこで働く人々とその家族、取り巻く利害関係者集団等が多大な迷惑をこうむる。倒産は社会的罪悪であり経済的殺人と言う人もいる。
 生活保護世帯数は2006年度に107万世帯を超えた。2005年(平成17年)の統計では、日本の総世帯数は 4906万3000世帯だから、対人口比で2%を超えた。この数字の持つ意味は大きい。豊かな国と言われた日本の陰の部分が、年々大きくなり始めている。この背景には高齢化の問題もあるが、それ以上に深刻なのが失業問題だ。景気は資源高から下り坂、中小企業を中心に現実は一層厳しいものとなっている。
 経営者は社会的責任を果たすための経営理念を掲げる。経営理念は「社会に対してこのような考えで貢献します」という経営者のメッセージである。さらにそれを具体的に実現するための年度方針を示す。目標や計画を立てて具体的に実行に移している。そうした過程で問われるのが経営者の人柄(人格)だろう。経営者が、自己中心で自分のことしか考えない、何かあると人のせいにする、何でも人に頼る、嫌いなことは避ける、強欲、感情的に行動する、感謝の心はさらさらない、公私混同を平気でやる、人の話は聞かない、優柔不断、社員は使い捨て、簡単にリストラするとしたらどうだろう。だが、誰しも人間だから、程度の差はあるものの少しくらいは当てはまる所もあるかもしれない。
自分中心ということは、ある種エネルギーでもある。そうしたエネルギーがあるから経営者をやっていられるとも言える。人の心の一面として誰しも多少はあるものと思った方が自然なのだろう。だからこそ経営者は社会的責任と言う大儀を明確にして、社会的責任を果たそうとしている自分、近未来の自分から現在の自分を引き上げる努力が日々必要なのだ。経営者は自己中心者でなく、自律者であって欲しい。

[ 更新:2008-07-10 17:31:02 ]

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