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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

ミック研究所 佐藤茂則先生「職場活力とコミュニケーション」

本稿は、10月4日の日本創造経営協会北海道支部研修のコンサルタント・カウンセラー佐藤茂則先生の講演部分を、吉見の責任で要約・意訳したものです。

はじめに
・企業のマネジメントの中心となるのは人の心(マインド)です。人が会社の中で安心していられるのは、上下の人間関係や同僚との人間関係という「関係性」が結べているからです。会社の取引先を見ても、信頼されて良い関係が結べているから反復継続した仕事(受注)が得られるわけです。個人がどのような専門性を持っているにしても、専門性を評価され、専門性を活用してもらえる関係性があって、仕事上でその専門性が生きるわけです。このように見ていくと、個人も企業も社会との関係性をしっかり結んでいるから存在できると言えます。
・最近メンタル面で機能不全を起こす人が目立っています。確実に増えているといっていいでしょう。しかし、同じストレスや負荷がかかっても、活力を生み出している人もいます。クライアントを見て感じることは、成功している人はストレスに強い人ではありません。自分のストレスを理解している人、ストレスを自己客観化できる人が活力を生み出し、成功の道を歩んでいます。
・日本には長寿命の老舗企業が多いことは皆さんご存知ですね。このことは、日本には続けていく文化があるということです。今年の伊勢神宮の式年遷宮にもこのことが現れています。経営者にも後継者にも、継承していこう、永続させていこうという擦り込みされた意志が潜在しているということです。老舗企業の中(歴史)を見ると、継承させる、永続させることに献身的に協力するパートナー(補完者)の存在に気づきます。代々の経営者には、人格を磨き続ける求道心があり、本業重視、現場重視、顧客尊重、従業員への配慮、家と企業の連動(一体感)があることが特徴です。

(1)人に関心を持つ
・人には表の履歴(キャリア)と裏の心の履歴(キャリア)があります。この裏の心の履歴(キャリア)をどう読み解くかが重要です。
・自分自身の表と裏の履歴(キャリア)にしっかり向き合うと同時に、採用しようとする人、採用して一緒に働いている人たち、一人一人にもしっかり向き合うことがポイントです。

(2)組織は成熟しない
・組織は常に成熟過程に有ります。ですから、経営者には自分の会社組織の成熟したイメージを明確に持つことが期待されます。
・今伸びている中小企業は、社内で何でも言える、経営計画の策定に社員も関わることができ、経営計画が全社員位明示され、全社員が集まる会議や何らかの場(飲み会や懇親旅行等々)があるという共通項があります。
・トップのリーダーシップは大事ですが、これからは社員とのパートナーシップはもっと大事と考えてください。社員が勤労意欲をなくすときは、上司への信頼関係がなくなった時や、自分が適正に評価されないと感じる時です。相互信頼に基づく関係性をつくるには、経営者にも幹部にもある程度のレベルのコミュニケーション能力が必要です。ただ現実には、コミュニケーション能力のレベルを上げる前に、一対一の対話の量が必要となります。
・組織の関係の質が高まると、心が開かれていくので感情の質が高まり安定します。そうすると、物の考えが柔軟になります。こうなると雑談も会議も和やかで活発になりますから行動が積極的になり、迅速になり、仮に失敗しても周囲のサポートで再度チャレンジするようになります。こうなると結果の質が高まるという好循環が生まれます。逆に、組織の関係の質が劣化すると、心が閉ざされていくので感情は不安定となるか無関心、内向きとなっていきます。そうなると、物の考えに柔軟性がなくなり、受け容れることが無くなっていきます。こうなると意思疎通が取れない状況ですから、行動しない組織となり、自己中心の保身者が万延します。

(3)コミュニケーション
・人は言葉で動機付けされるものですから、毎日「気づき・声かけ」を繰り返して仕事をしましょう。例えば、「あれどうなってる?」「そう言えばあれどうなった?」から始めていいのです。
・人がコミュニケーションをとる時の中身ですが、事実(結果)、行動(方法)、感情の伝達です。
・今は品質が問われます、スピードも問われます、顧客ニーズも多様化しています、クレームも増加しています。企業を取り巻くこの背景を考えると、社内にコミュニケーションとモチベーションに向き合うリーダーは不可欠となります。

【身につけたい7つの習慣:職場活力とコミュニケーションを高めるために】 
①社員一人ひとりに関心を持ち、理解しようと努めて傾聴する。
②出勤・退勤時、外出・帰社時には、声を出して挨拶をする。
③報連相や指示伝達に際しては、事実・実態把握の上、今後の行動展開や感情面まで考慮して行う。
④上位者は、管理者・リーダーとしての自己成長目標を具体的に持つ。
⑤話すこと、聞くこと、討議することのバランスをとる。
⑥現場・現物・現実の中でどうするかが基本であるから、6S(整理・整頓・清掃・躾・清潔・センス)に目配りと気配りを怠り無く。
⑦生活管理(自己管理は時間管理から)とストレス管理(健康管理)を適切に。

(4)まとめ
・今は自分の生き方を考える時代であり、自分を内観する時代です。よって、「私は私になるために私を必要としている」といつも思ってください。
・リーダーマインドのポイント
①自責(自分の側の問題をしっかり受け止め、自分を高め続ける責任があります)
②肯定(職場内ではネガティブ情報が前に出やすいので、使うモノの良さを見つけ、人には個人単位で取り柄を探して育てる責任があります)
③関係構築(質の高い関係をつくり、組織内の知識と経験の共有化と組織力を高める責任)
④決断(周知し、個人単位ではなく組織として実行する責任)

[ 更新:2013-11-04 12:10:21 ]

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