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姻族関係終了届

今から40年以上前に学んだことですが、すっかり忘れていました

日本経済新聞の記事によると、2006年に1854件の提出が、2015年には2783件になったとか。
学生時代に使っていたテキスト、一粒社の通称ダットサン民放のⅢ親族・相続法を開いてみた。たくさんの赤線や書き込みがあって懐かしい。
以下は経営には全く関係のない事なので、興味のない方は無視して下さい。

学生時代のことを思い出してゆっくり読み直して見ると、次のように書かれている。

・配偶者の一方の死亡(例えば夫)によって、夫と妻の配偶者関係及び妻の血族との姻族関係が消滅することは言うまでもない。
・問題は、生き残った妻と夫の血族との間の姻族関係も消滅するかどうかである。新法(戦後民法を、当時はこう表現していたのですね・・・)は、この場合は当然には消滅しないが、生存配偶者は何時でも「姻族関係を終了させる意思表示」をすることによってこれを消滅させることができるとした。
・これに反し、死亡した配偶者の血族の側からは、これを消滅させることは認められていない。即ち、姻族関係を存続させるかどうかをもっぱら生存配偶者の判断に任せたのである。この意思表示は戸籍上の届け出によってなされることを要し、この手続きを踏まない意思表示は効力がないと解される。
・婚姻によって氏を改めた生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができるが、それは前述した姻族関係の消滅とはまったく別個の問題であることに注意すべきである。

このテキストは昭和32年が初版。私が買ったのは昭和38年第二版→昭和47年の第27刷とあるから、当時の教科書としてはベストセラーだったと思います。当時「法律を学ぶ学生が、必ず持っていた」といってよいものでした。
戦前の旧民法との関連で、次の記載が当時の時代を感じさせます。おそらく今の民法のテキストには、このような記述はないでしょうね。

・旧法では「家」を中心にして、生存配偶者がその「家」にとどまっているかを基準にして構成されていた。即ち、旧法では原則として婚姻によって妻が夫の「家」に入っている。そこで夫が死亡した場合には妻と夫の血族(舅姑)との婚姻関係は当然には消滅せず、妻がその「家」を去ることによって消滅した。ところで、未亡人が実家に復籍しようとしても婚家の戸主の同意が得られなければ不可能であった。即ち、姻族関係を消滅させるかどうかが多く婚家の戸主の意思にかかっていたのである。
・そこで新法は完全に未亡人のイニシャティブによって姻族関係の存否が決まることとした。

[ 更新:2017-05-02 08:35:35 ]

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