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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

吉見 事務所通信8月号より

【行動見本】【知識と経験】【顧客が変わった】【リーダーシップ】【一人ひとりを活かす】

【行動見本】
 債務超過に陥るような企業のお話をうかがうと、次の共通項があります。トップ及び管理者が現場を見ない、現場に行かないというものです。現場を見なければ、そこで何が起きているのか、進捗状況がどうなのか分かるはずはありません。
特に中小企業の場合、トップや管理者層が「高みの見学」をしているとどうなるでしょう。上の人たちが一生懸命働き、やっと組織全体に執念が生まれるのではないでしょうか。現場任せ、放任ではレベルアップはできません。一人一人の本気が必要です。
 これまで企業と従業員は「相互拘束型」の関係が長く続いていましたが、最近では「相互選択型」に移行しているように見えます。長期継続雇用の終身雇用制や年功序列の関係が終わり、お互いが選び選ばれる関係へと進んでいるように感じます。そうなると、「従業員が仕事や会社に何を求めているかを問う」必要が一層増してきます。優れた経営戦略や経営管理システムがあろうとも、これらを推進する人の知識・スキル・モチベーションが低ければ、現実に有効に機能することはありません。
従業員は、会社の何に不平や不満を抱き、重視するもの(帰属する理由)はお金か、地位か、仕事の内容か、働く環境か、将来性か、ビジョンか、企業理念か、トップの魅力かしっかり把握する必要があります。企業性格(KD―Ⅰ)の調査や個人面接を行なうと「中間管理層のマネジメントが十分機能しない」という傾向がここ数年共通して浮かび上がります。取り組むべきとは、中間管理層のマネジメント能力の強化と、組織的コミュニケーションの活性化ということです。自分の目標やチームの方向性が、中間管理層のメンバー自身に普段から意識されていなかった結果といえます。
 最近の若い社員たちを見ると、「人のいうことを忠実に聞く」「従順」「教わったことを盲従する」というタイプの「いい子」が増えていないでしょうか。表面的にはいい子かもしれませんが、自分の頭で考えない(思考停止)、他人事、無責任あるいは責任転嫁を当たり前とする人が増えつつありませんか。
 経営者は、管理者層にも一般社員たちにも、求めているのは「知性」ではないでしょうか。雑多な情報や日常生ずる物事の中から、重要なものをピックアップし、自分に期待される役割に具体的な言動として的確に反映する、行動することです。

【知識と経験】
 「経営は技術や仕組だけではない」といえます。「売れるかどうか」が常に問われています。いくら専門知識があっても資格をとっただけでは、それだけでは社会に評価されないでしょう。知識を体験化するということを繰り返し、知恵が累積していきます。これが重要です。ですから、失敗も「こうするとうまくいかなくなる」ということを知る体験です。ですから「失敗から学びそこから成長していきましょう」ということになります。失敗に限らず、何ごとも分析と謙虚な反省が大切です。
 しかし、仕事(ビジネス)の現場には、残念ながらリハーサルというのがありません。常に本番ですから、いい意味で開き直り、失敗を続けながら経験を積んで行きましょう。但し、何事においても経験主義では効率が悪すぎますから、先輩や上司の経験に基づいた助言(アドバイス)を素直に受け容れることの重要性は言うまでもないでしょう。その上で、自分の頭で考え、自分の持ち味を生かして行きましょう。

【顧客が変わった】
 生活者の時代と創造経営では言います。「顧客」はもう単なる「消費者」ではなく、自分の生活(=生命活動)を真剣に考える「生活者」になりました。生活者の要求は、個々人の生活に応じた固有のものになってきています。その要求に応えるための仕組の変更、それも顧客に最も素早く対応できる仕組に組換えが必要といわれるようになりました。
組織とプロセスが変われば十分でしょうか。仕組が機能するには、働く社員の意識が変わらなければ何の意味もないことになります。会社として包括的な取り組みが必要です。取引先を巻き込み、現場が中心となり、ミドルが中心となる必要があります。
 キーワードは「情報の共有」です。顧客の情報、社内外の関係部門情報、社員情報、取引先情報等たくさんの情報があります。これらを集約し、常にお互いの状況を伝え合う、確認し合うことが求められています。社員や取引先が自律的に動くようになると、企業としては情報を使い全体を統合する必要が増してきます。

【リーダーシップ】
 トップは休みを取りましょう。普通の日は、とにかく働かなくてはいけませんが、日曜日は必ず休みましょう。そうしないと続きません。中小企業は、トップが止まると会社は止まります。ですからトップの健康管理は極めて重要です。
 次に、問題解決能力です。「今起こっている問題は、こういうふうにすると解決できる。」と自覚して、実行する人が真のリーダーになれます。問題を、「問題だ!問題だ!解決しろ!」と叫ぶだけの人は、能力のない肩書きだけのリーダーですから、人の心はどんどん離れていくでしょう。
 なぜこの問題が生じたのか、というように分析的に「何故」を繰り返し、掘り下げる仕事をしてこなかった人に、リーダーの仕事はできないはずです。そして、リーダーは何事も自分自身の問題としてとらえて行動しなくては、組織のお荷物となってしまうでしょう。

【仕事のやる気を低くするリーダー】
 あなたの職場のリーダーが、ゴルフや夜遊びにふけったらどうなるでしょう。業績は下り坂になるはずです。ある会社では、支店長が本社で行われる幹部会議に出かけ、その会議の日は支店に戻らない事が通常でした。人事異動があり、後任の支店長が同じ会議に何度か出かけましたら、十分に支店に戻る時間のあることが分かりました。調べると、前任者は大好きな映画に出かけ、その後自宅に直帰していた事が分かりました。この事実が判明したとき、あなたが後任の支店長であったなら、相談を受けた本社の経営幹部であったならどうされますか。この会社では、相談を受けた本社の経営幹部が「性善説」(?)に立ち、いつか気がついて自主的に管理者らしくなってくれる事を願って不問としました。その後、この管理者は転勤先の別の支店でも同じ行為を繰り返し、中堅社員のモチベーションをおおいに下げているそうです。賞罰が機能しない会社に規範順守の風土はなくなります。くれぐれもこのような愚はなさらぬようにお願い致します。

【一人ひとりを活かす】
 これまでは上司の言うことをハイハイと聞き、言われたことを何も考えずに社員はやっていても済みました。しかし今は、全社員は無理であるとしても最低2~3割の社員は、個人の能力を最大限引き出し、実行していかなくてはいけない状態になってきています。そして、リーダー層は自分の受け持っている部門を活性化する義務があります。その義務が果たせると会社全体が元気になります。一人ひとりが元気になり、優秀になるとすべて良い方に向かいます。個人は心の豊かさを感じると、元気になるものではないでしょうか。同時に、自分の最も得意な職務(専門性)を育てることも、職業人として非常に大切です。成長する中小企業は、その分野(事業領域や地域)で跳びぬけた得意分野を持っています。ということは、その構成員である社員個人が持っている職務(専門性)が磨き続けられているということでもあります。この職務(専門性)を磨き続けることに「信念」を持ちましょう。
 そのためには、自分が得意な仕事をしましょう。不得手な仕事をしていると、だんだん自分に自信がなくなり、余裕がなくなり、いつも仕事に追われているという強迫観念に取り付かれ、ストレスがたまります。前職を退職する時の私がそうでした。こうなると自分にも家族にも、いいことはありませんでした。まるで病人のようでもありました。生き生きすることはとても重要です。

【「信念」を持つということ】
 信念は、「念」を「信ずる」と書きます。「念」という字を分解すると、「今」の「心」となります。ですから、信念を持つということは、自分が今もっている心を信ずることと教わりました。では何を信ずるのか。「自分には、豊かな創造力と可能性がある、潜在力がある。」ということです。そのことは、自分の生き方に自信となって表れます。
リーダーの役割を担う方は、自分の信念や主張を迷いなく確信していることが、社員や取引先の信頼や協力を得る上で重要です。そのためには自分の生き方を深めることが求められます。

[ 更新:2006-08-01 09:32:23 ]

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