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人口減少社会に思うこと(2)

楽観論者は、「労働人口は減少するけれど、女性労働と高齢者労働に期待せよ」ともいいます。

 「統計的にみると女性と高齢者の就業率はまだまだ低く、就業の阻害要因を取除けば、十分に労働人口を補うことができる」といいます。「実際にあちらこちらで、女性や高齢者の方の働く姿を、ごく普通に見かけるようになっただろう」ともいわれます。
確かにそのような人達も見かけるようになりました。
 一方、女性や高齢者が働くには労働条件が厳しすぎる現場があります。仕事内容と比較して、驚くような低賃金の職種もあります。IT化の経験もその実務教育のない人が働けるチャンスや場が、自由に選べるほど存在する可能性はどれくらいあるでしょうか。定年前の中高年の人たちが、意に染まぬリストラや職場の倒産廃業で職を失い、再雇用に恵まれぬまま預貯金を取り崩す中で、実力主義の成果主義賃金システムや年齢を盾に門前払いは酷にも感じます。
 
 成果に応じた賃金の支払いで、働く者の能力を引き出し、その結果生産性は高まり、女性や高齢者もその寄与度に応じた条件で働ける環境が作れるといいますが、早期退職、退職金の前払いの前に十分な老後資金の貯えができない中で、寄与分だけ適切に支給するのだから、協調して働きましょうといわれても、素直に受け入れられないのは私だけでしょうか。
 大企業側の論理では、「人件費を固定費から変動費へシフト、一人当たり人件費の引き下げと労働分配率の圧縮で、海外競争力が高まる。」と説明されても、良質な働き手の再生産の循環プロセスにはならないでしょう。そのようなグローバル企業の役員報酬が毎年驚くほど高額になっていくことが、より良い労働環境なのでしょうか。

[ 更新:2008-08-21 09:54:48 ]

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