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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

中小企業家同友会中央西地区会8月例会:清水勧業㈱ 代表取締役会長 土屋洋二氏のお話から

清水勧業様は1947年の設立の電気機器材料、安全機材の卸業。土屋会長ご自分が42歳の時に、父の急逝を受けて社長に就任(昨年会長に就任)。2003年6月に、巻き取り式ゴミステーション「カラスまいったー」を世に出したことをお話のポイントに、組織の活性化と新商品開発の実体験のお話を伺った。

 私は新商品・新事業開発による企業の再成長のお話かと思って参加したのだが、組織風土をご自分の経営理念に沿うように転換するために、「カラスまいったー」という商品開発が手段となったというお話だった。その後も開発された商品は、家庭用らくらくシャッター開閉器の「シャ楽」(通信販売がメインという)、PCB廃棄物・保管・運搬補助容器の「オレンジボックス」(本州での引き合いが増えているという)、灯油盗難いたずら防止・漏れ遮断装ノ「ユピタ君」(燃料扱い業者から注目されているという)と続いているからすごい。
 昨年から創造経営吉見ゼミでは、私達が目指す中小企業経営を「変化する環境に迅速に適応し、イノベーション(新事業開発・新商品開発)ができる人材育成とこれらの実践」としているが、これらをずっと実践し、具現化されてきた事例だった。当事者の実体験の裏付けがあるので説得力は抜群。素直に見習いたいという反応が会場に満ち溢れて行った。
 印象に残ったお話のポイントを次に列挙するので、皆様もいいものは是非真似ていただきたい。
・経営手法は経営者の数だけある。自分は自分。社長としての自分は、自分が納得できる、自分らしい経営をしたいとずっと願ってきた。(モラルサーベイテストで社長ご自身のエゴが社員に与える悪影響に気づき、反省し、自分を変えていかれたお話は、さらりと流すように語られたが実に重い意味があったと思う。)
・経営の目的は利益の追求ではなく事業の継続である。
・倒産や廃業は世の中から選別・淘汰された結果だから、時代のニーズや市場の変化を察知し、適合しなければならないが、それは組織対応が求められる。組織対応するには、社風や経営体質、経営理念などが重要な要素となる。
・中小企業として付加価値生産性を上げることを目指している。その実現には価格競争力とは異なる、新たな付加価値を生み出すイノベーションが必要と認識する経営経験をした。
・組織は明るく、一緒に仲良くありたい。自分もいい会社をつくる一員である、やりたいことをやらせてもらえる会社にいるというように、社員が喜ぶ参加型経営をしたいと願い、試行錯誤を重ねて現在に至った。
・経験と勘と度胸の営業もあるが、マーケティング知識に基づく合理的営業展開に転換したかった。
・商品開発では、ネーミングは重要!
・アイデアを形にするのはアイデアを出す10倍難しい。形にしたものを商品にするにはまた10倍難しい。商品を売れるようにするにはまた10倍難しい。単に売れるだけではなく、儲かる(利益が得られる)ようにするにはさらに10倍難しい。しかし、社員の自発的な取組みは、モラルの向上、雰囲気が前向きに変化、いろいろなプラス効果やシナジー効果を産んでいる。
・若い時というのは、ダイナミックなものや挑戦的なものに面白みを感じるものだと思う。そのダイナミズムを維持するとかパワーアップする組織をつくりたかった。社員が毎日、わくわく、どきどきし、楽しんで会社に行ける雰囲気を実現したかった。

[ 更新:2010-09-01 10:06:50 ]

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