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日本経済新聞の書評から(2017.12.23)「政治経済の生態学」 スヴェン・スタインモ著

評論は京都大学教授 根井雅弘氏

著者は「国家は適応するか消滅するかだ」と書いているようです。この国家を「会社」と変えても同じかもしれませんね。
「進化は変化を必要とする」という言葉も、奥が深い言葉と思います。

最初はスウェーデン。
社会民主的政策を、変化する現実に適応・進化させようとした。
高い教育水準、公共サービスの充実、社会への信頼の高さは、変化の激しい世界経済でも強みなので、従来の製造業ではなく、知識生産で比較優位を持てる方向に舵を切ったのである。
⇒北欧の国々は国民1人当たりのGDPが高いと出ていますよね。国民が少なく、資源も乏しい中での国家の生き方に、私たちも学ぶものがあるように思うのです。

次は米国。
天然資源に恵まれ、分権的な政治制度を取り、平等主義的な理想と、反政府感情を重視する国にに進化した。しかし、リーマン・ショック後は、富・所得の不平等や社会保護の弱さが前面に出て、新たなシステムを構築できない。
⇒米国の内情については、昨年の大統領選挙あたりから、たくさんの意見や情報が伝えられていますね。あまりにたくさんありすぎて、どれが本当か分かりにくくなっているように感じます。

最後に日本。
敗戦後からバブル崩壊までは、軽い税負担と雇用主ベースの福祉国家で高度成長を成し遂げた。
⇒個人の所得税は重税で、これを原資に低所得者に再配分が行われた時期があったので、国民トータルでは軽い税負担だったのかもしれません。
伝統的で階層的な社会が残存し、強い中央官庁と弱い民主主義の組合せが、少子高齢化やグローバル化に対応できなくなった。→これは納得できます。

著者が「進化論の立場から『グローバル・スタンダード』はないと悟るべきだった」というのは、掘り下げてみたいですね。

[ 更新:2017-12-26 11:01:11 ]

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